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パンくずリスト TOP >> 野郎のための妊娠ガイド 第6話
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連載育児小説”野郎のための妊娠ガイド”
The Bloke’s Guide to Pregnancy

君は彼女の助けになるか?彼女が求めているケアとは

何時間もほったらかしにされて、君は怒り心頭。ひとこと文句を言ってやろうと思う頃にようやく助けの手が回ってくる。そして救護チームが到着した途端に君は、前言撤回、「こんなことならば、助けの手など来て欲しくなかったよ……」なんて複雑な心境になるに違いない。

なぜなら、助産婦や産科スタッフは女性ばかりではないことに気づくからだ。君の目の前で、男の助産師さんや男のドクター、ときに男のインターンたちが、彼女の大事なところを覗き込んで検査する。真面目な顔で、指を(当然、手袋をしてるけどさ)彼女の膣に挿入して、分娩の進行状態を確認するという最も基本的な検査が行われる。

さらに念を押すが、この検査は、産道として十分な10センチに拡張するまで、繰り返し行われるのである。正直、どこに目を向ければいいのか、どんな顔をしていればいいのか判断に困るところ。多分、君にできることは、彼女に対して一瞬たりとも医療以外のことを考えないように、ドクターたちを睨みつけることぐらいかな。

苦しむ彼女を見てひと言「横になった方が楽じゃない?

b_01_06_03 陣痛が始まるとベッドに横になっているものかと思えば、少しでも痛みを和らげるために、妊婦さんたちは分娩室を歩きまわったり、壁やベッドや椅子に寄りかかったりしながら、なんとも表現できないようなポーズをとって痛みを回避している。

 だから、知らせを受けて会社から飛んできた時に、たとえ愛する彼女が下着姿で床を這いつくばっているのを発見しても、決して慌ててはいけない。動揺したり、恥ずかしいようなそぶりを見せたりせずに、彼女の痛みを和らげる手助けを君は何かしらしなければならないのだ。

 逆立ちだろうが、しゃがみ込みだろうが、彼女が少しでも楽になるならそれで良い。子宮の収縮、赤ちゃんの動き、そして不安がミックスした状態の中で、彼女は楽な姿勢を探すことに必死なんだ。そして、その姿勢は大体にしてベッドに横になるといった、スタンダードな体勢ではない。

 彼女がしゃがみこんだら、君は腕や肩を支えてあげよう。こういう場合にはこう対処しなければならない、という明確なルールは無いけれど、助産婦さんに聞いて、どうすればいいのかアドバイスをしてもらうと良いだろう。そうすれば、張り詰めたところをさすって和らげてあげたいと思い腰の部分に触れた途端、彼女に噛み付かれることもないからね。

出産は激しい痛みを伴うもの。 男の僕には我慢できない……

 現在、出産の痛み止めの薬がたくさん出ている。たぶん、彼女は出産を迎えるまでに、自分はどうしたいか決めているだろう。方法は2つあって、1つは、麻酔なしの「自然分娩派」と、脊髄注射なんてへっちゃらな人向けの「無痛分娩派」だ。

 前にも宣言したかもしれないが、出産するのが僕自身だったら、ありとあらゆる痛み止めを希望し、看護婦さんを説得して普通の2倍を投与してもらい、さらには、ストリートでスゴイやつを調達して追加するだろう。

 自慢じゃないが、僕は自ら認める腰抜け野郎で、10代のころに経験したモルヒネがどんなに素晴らしかったか、今でも思い出してうっとりするような奴だ(もちろん医療目的での使用ですよ、お巡りさん)。
「苦痛」か「無痛」かと聞かれれば、陣痛も始まらないうちから腕に止血帯を巻き、内肘をたたいて血管を浮かび上がらせて、どうぞ打ってくださいと言わんばかりに注射されるのを待つだろう。

 大抵の男どもは「迷わず麻酔を選ぶよ」となり、出産まであと2〜3時間あるとなれば、気をまぎらすために「ゲームボーイもよろしく」なんて言い出す始末だろう。もし自分が出産するとなったら、男なんて任務遂行能力ゼロなんじゃないかな。

 でも真面目な話、「生まれながらにしてハイにキメたやつ」なんてすげえクールじゃないか、というのは違う世界の話であって、本当に自分の赤ちゃんのことを考えたらそんな態度をされて笑えるだろうか。

 一方で、人工的なものは一切使用しないで出産の痛みをすべて感じたいという、たくましい(というか、奇特な)女性だって沢山いる。もしかしたら、単に注射が苦手で、しかも脊髄まで深く刺さるのが怖いというだけの理由かもしれないけど。
君の彼女がどちらに決めたにせよ、分娩という混乱の場面で痛み止めを要求する、または拒否するのは君の役目となる。

 たとえ自然分娩で行くと決めていても、陣痛が17時間も続いたら彼女は方針を変更すると言い出すこともあるから、事前にさまざまな状況を想定しておこう。
現場が混乱する前に、彼女がどうしたいのか、また何を絶対したくないのかを冷静な状態でよく話し合い、確認しておくことが絶対に必要だ。

つづく

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ジョン・スミス
世界的ベストセラーとなった「The Bloke’s Guide to Pregnancy~野郎のための妊娠ガイド~」の著者でもあり、英国版FQをはじめ多くの育児雑誌でコラム等を執筆する。


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