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ニュージーランド

政府からの補助金で、保育機関は20時間まで無料!
福祉に並々ならぬ熱意を持つニュージーランドの、バラエティに富んだ保育環境に迫る。

遊ぶことは集中力を高める。また、遊びを通して自分を知る、そして世界についても覚える。“遊び”イコール勉強なんです。これはニュージーランド政府の正式な考えの1つです。

“遊ぶ”を通して学ぶNZ的ゆとり教育

先住民であるマオリ族の言葉で「アオテアロア(白い長い雲がたなびく土地)」と呼ばれるニュージーランド。
 美しい自然に囲まれた北島と南島からなるこの地のあちらこちらで出会う公共標識には、英語とマオリ語が併記されており、複数の文化と言語が共存していることに気付かされる。ニュージーランドではマオリだけでなく、他の太平洋諸島出身の民族も多く、幼児教育に共生や理解を積極的に取り入れているいう。

最近ではアジアからの移住者も急増し、さらなる対応が急がれているニュージーランド独自の育児環境について、ニュージーランド大使館の一等書記官、ブルース・マカラムさんに伺った。「ニュージーランドの託児施設には保育園、幼稚園、そしてテ・コハンガレオというマオリ語の言語や文化を教える機関があります。

20世紀の前半には、乳幼児に対して英語を中心とする教育が活発となり、マオリの言葉はおざなりになっていました。そこで1982年に設置されたのがテ・コハンガレオ。その他にもマオリ以外の太平洋諸国からの移民をサポートする機関もあります。これらの施設は政府の補助によって、3〜4歳の子供たちに週20時間まで無料で利用できます」。またニュージーランドには、就学前の子供の親たちが、運営管理や教育者として活動する、「プレイセンター」というユニークな施設があるという。

「プレイセンターはありとあらゆるおもちゃがそろっている、文字通りの遊び場。砂遊び、水遊び、お絵描き、フィンガーペイントなど、多彩な遊びの中から子供たちが好きなものを選んで遊びます。立ち会う親は当番制で、大人1人に子供は最大5人までというのが基本です。当番でない親は自由な時間が得られますから、それもメリットと言えるでしょう」。
マカラムさんも10歳、4歳の女の子と7歳の男の子の父親。ニュージーランド在住時には、実際にプレイセンターのお世話になったそうだ。
 「私の長女は7年間ニュージーランドで暮らしたのですが、1年間はプレイセンターのお世話になりました。そこもとにかくなんでもあって、自由に遊ばせるという感じのところでしたね。

親にとってプレイセンターを利用するもうひとつのメリットは、親同士の繋がりができるということだと思います。私達の場合は特にそうでしたが、そこは初めての土地だったので、最初は知り合いがいなかった。
 だからプレイセンターで親同士が出会って仲良くなれる。友達になればプレイセンターだけでなく、お互いの家を行き来したり、また何組かで公園に行って子供を遊ばせてもいいですしね」。

プレイセンターが象徴するように、ニュージーランドの育児教育の中では、“遊び”はかなり重要視されている。「“遊ぶ”ことは集中力を高めます。また、遊びを通して自分を知る、そして世界についても覚える。
好奇心、運動神経、自尊心、言葉などの社会的な“技術”を身につけるのに役立ちます。だから“遊ぶ”イコール何も勉強しないということではなく、“遊び”イコールいろいろと勉強になるということだと思っています。

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これはニュージーランド政府の正式な考えで、教育制度にまで影響を与えています。日本の学校はニュージーランドに比べて遊びの時間が少ないですね。
長女が日本に来て困ったのは、遊ぶ時間が少ないから友達を作る機会が少ないことでした。給食のときに日本では班ごとにキチンと座って食べるでしょ?
ニュージーランドではみんな食べながら走り回ってますよ。これはいいことかどうか分かりませんが(笑)」。
 保育所や幼稚園などの保育機関だけでなく、子供を持つ親も保育や教育について考えるニュージーランド。
“モンスターペアレント”が話題になるなど、子供の教育を公共機関に任せきりになりがちな日本においても、ニュージーランドの「親は最初の教師」という、ある意味教育の原点とも言うべき考え方に、もう一度立ち返ってみるべきなのかもしれない。■

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ブルース・マカラムさん(BRUCE McCALLUM)
ニュージーランド大使館一等書記官。
10歳、4歳の女の子と7歳の男の子を持つDAD。(2008年当時)
FQ JAPAN vol.6(2008.3月1日発売号より)


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