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スウェーデン

福祉国家スウェーデンの駐日大使館で働くヨアキムさんに、同国の育児事情をインタビュー! 日本と日本の父親には参考になりそうな点が多数あり。
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1974年、世界で初めて両性が有給の育休を取得できる制度を
導入したことは、大きなエポックメイキング。
父親の育児参加や女性の社会進出に対して大きなきっかけとなりました

「胎内から天国まで」の国に見る父親育児と脱少子化のイロハ

刑事や新聞記者が仕事を優先し、妻の出産に立ち会わない――

日本のTVドラマでは、よくそんなシーンを目にする。” 家庭より仕事の“姿勢が妙にハードボイルド風に描かれていて、ついつい共感してしまう男性もいるかもしれない。

スウェーデン大使館の報道参事官を務めるヨアキム・ベルイストロムさんの周りにも”家庭より仕事な“日本の友人は多いという。
「広告代理店、新聞社などの友人がいますが、彼らも典型的な日本の企業人。例えば、育児休暇(以下育休)を取る人はほとんどいません」。

確かに父親の育児参加が当然のスウェーデンで育ったヨアキムさんからすると、日本の父親は少しヘン!?なぜ、スウェーデンの父親が育児参加に積極的なのか。背景には福祉に関する2つの改革があった。

1つは1974年に導入された育児休暇制度だ。
父母は育児のために合計480日間も有給の育休を取得できるというもので、両性が取得できる収入補填制度は当時世界初だった。

最初の390日は休む前の給料の90%(現在は80%)が給付されることもあり、「多くの父親たちが育児に参加するきっかけになった制度」とヨアキムさんは語る。
加えて、母親の育児負担が減ったことで、女性の労働参加率も75%以上に増加した。
こうして子育てをしやすい環境が整い、スウェーデンの出生率は1990年に一時「一家族2.14人」に。過去20年で最高の数字となる。

ところが一転、90年代前半から出生率は急降下。その理由としてまず挙げられるのが、収入や子供の利用日数に応じて増える保育施設への自己費用負担。また、90年代前半にこの北欧の国を襲った不景気寒波も大きな要因だった。

この時期、失業者や失業危機にある就業者を対象とした雇用訓練プログラムには、月間最大10万人もの人が参加。これでは男性も女性も出産どころではない。

この事態を重くみたスウェーデン政府は、90年代後半から2つ目の福祉大改革に着手。まず1998年、90%から一時75%にまで引き下げられていた育休時の給付金を80%に上方修正した。

「両親が払う子供の保育費に上限を設けたのも大きかったですね。これで、仕事量が多く子供も施設に預けがちだった高収入家庭の負担が減りましたから。また、両親が失業中でも、子供が1日最低3時間は保育施設を利用できるようにするなど、すべての子供が保育制度を享受できるよう徹底化されました」。

2002年には配偶者に譲ることができない育休の日数も30日から60日と倍増。1999年からの出生率再上昇を受け、スウェーデンの街に、父親と子供の仲良し姿が再び戻ってきた。

このような育休制度は日本にもあるにはあるけれど、あまり実効力を持たないのが現状だ。日本では育休を取る社員の代替要員を確保できない会社が多く、雰囲気的にも休みづらい。
「スウェーデンでは、人事部が社員の育休取得にきちんと備えているので、別の社員や新規スタッフの補填にもよく対応してくれます」。
大使館にも現在、1年間の育休を取得中の女性がいるとのことだが、業務は期間雇用スタッフへ円滑に引き継がれているという。女性スタッフ11人のうち、3人の家庭が男性主夫というのも驚き!

「日本の出生率を見ると少し未来が不安」と語るヨアキムさん。2005年、スウェーデンの出生率1.77に対し、日本は1.25とかなり低い。スウェーデンを見ると、出生率の低下は女性の社会進出にある、と言い訳することはできない。子供のための施設や制度の充実と、父親の積極的な育児参加。子供に優しい北欧の福祉大国に、日本の少子化を防ぐヒントがありそうだ。■

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  • ヨアキム・ベルイストロムさん(JOACHIM BERGSTROM)
  • 駐日スウェーデン大使館報道参事官
  • スウェーデン北部の都市・ホーデン出身。
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FQ JAPAN vol.3(2007.6月1日発売号より)


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