「本物に触れる」ことで自主性と創造性を育む
EDUCATION STYLE
お父さんってカッコいいな、
僕も私もこういう大人に
なってみたい! と思わせる
遊びの中で興味を持ち、疑問が生まれる。目で見て、物を感じる。感覚が研ぎ澄まされ、創造性と探究心を育むのだという。そして、身近な存在である自然を慈しむことで、感謝や思いやりも生まれてくるのだ。
一方、モンテッソーリの教育方法の1つとして、大人が使う道具と同様なものを、子供のサイズに合わせ、作業をさせるといったものがある。つまり、日常生活を「本物」に近い形で体験させるというわけだ。
一方、モンテッソーリの教育方法の1つとして、大人が使う道具と同様なものを、子供のサイズに合わせ、作業をさせるといったものがある。つまり、日常生活を「本物」に近い形で体験させるというわけだ。
「例えば、アイロンがけや、包丁を使って実際に野菜を切ったり、針と糸を使ってボタン付けなどを行います。刃物は危ない、と思うかもしれませんが、乱暴に扱うと自分が痛い思いをするからこそ、そこに慎重な動きが獲得されていきます。最終的にはこれらを練習をした子供は、自立心や想像力を自然と育くんでいきます」(松浦氏)。
この日常生活の練習こそが、のちの教育の基礎・基本となるという。
本物を知ることにより「どうして、なぜ?」という疑問が生まれる。そこから、自分で探し、行動を起こしていく。つまり「本物」は子供の創造性、自主性を養うきっかけにつながる。
本物を知ることにより「どうして、なぜ?」という疑問が生まれる。そこから、自分で探し、行動を起こしていく。つまり「本物」は子供の創造性、自主性を養うきっかけにつながる。
教育者が提言する「父親の役割とは?」
育ち盛りの子供がいる父親の世代は働き盛り。仕事が忙しく、家庭はおろか子供にかまっている時間がない、という人も多いはずだ。しかし、幼児期の子供にとって、父親との触れ合いこそ、今後の子供の成長に大きく影響する。
だからどんなに忙しくても、わずかな時間でもいいから子供と一緒にいる時間を作る事を心がけるべきである。そしてその時、どのように子供と接すればいいのだろうか。何をしたらいいかわからない、というのであれば、子供と一緒に散歩すればいい。
秋田氏は次のように語る。
「野外には、大人には見えないさまざまなものがあふれています。子供の目線は大人とはまるで違うので、ちょっとしたものでも興味を示すことがあります。『あ、あんなところに草がたくさん生えているよ』『本当だ、皆同じかな』と、子供にとっては何だって新鮮なんですね。特に父親は、“子供と対等に遊べる”という特性を生かすべきです。
「野外には、大人には見えないさまざまなものがあふれています。子供の目線は大人とはまるで違うので、ちょっとしたものでも興味を示すことがあります。『あ、あんなところに草がたくさん生えているよ』『本当だ、皆同じかな』と、子供にとっては何だって新鮮なんですね。特に父親は、“子供と対等に遊べる”という特性を生かすべきです。
何でも道筋をつけたがる母親に対し、父親というのは遊びの経験が違う。例えば、コマ回しをした時。投げ方から回し方まで、子供にはできないダイナミックさがあります。それを見た子供は、お父さんってすごいなと、憧れの存在へなっていくはずです。どうしたらお父さんのようにうまく回せるようになるのだろうと、マネをしようとする時、子供の“模索”が始まるのです。そして、この“模索”もまた、創造性を育むきっかけになるのです」。
また、忙しいならば、逆に仕事をしている姿を見せるという方法もあると松浦氏は言う。
「その姿を見た子供は『懸命に働いているお父さんってカッコいいな、僕も私もこういう大人になってみたい』と思うに違いない。今はいわゆる、『いい学校を卒業し、一流企業に勤める』という生き方だけが、人間としてのよい道筋ではないと思います。1つのことを極めた職人は、誰にも負けないくらいカッコいい」。
「その姿を見た子供は『懸命に働いているお父さんってカッコいいな、僕も私もこういう大人になってみたい』と思うに違いない。今はいわゆる、『いい学校を卒業し、一流企業に勤める』という生き方だけが、人間としてのよい道筋ではないと思います。1つのことを極めた職人は、誰にも負けないくらいカッコいい」。
大人がしっかりと手本を示せば、子供もついてくるものである。
「例えば、本が好きな子供になって欲しいと願う親は多いんですね。でも、やみくもに子供に本を並べて『これを読みなさい』と押し付けてもダメ。それには見本である大人、つまり親が読む事です。そうすれば、それを見た子供は、自然と本を読むようになります。大人は子供にとって、いわば鏡のような存在。子供を少しでも理想の人間へ近づいてほしいなら、まずは大人自らが襟を正すことだと思いますね」。
「例えば、本が好きな子供になって欲しいと願う親は多いんですね。でも、やみくもに子供に本を並べて『これを読みなさい』と押し付けてもダメ。それには見本である大人、つまり親が読む事です。そうすれば、それを見た子供は、自然と本を読むようになります。大人は子供にとって、いわば鏡のような存在。子供を少しでも理想の人間へ近づいてほしいなら、まずは大人自らが襟を正すことだと思いますね」。
子供は、かけがいのない存在であり、同時に子供のことを正しく理解をすることが大切である。豊かな心と創造性、そして自立心を育むためにも、大人の確かな行動を示すのが、極めて重要といえるだろう。■
秋田喜代美先生
東京大学大学院教育学研究科教授。東京大学大学院教育学研究科博士課程終了、博士(教育学)。立教大学文学部助教授を経て、現職。日本保育学会副会長。主な著書に『幼児期に育つ「科学する心」』編著・小学館)、『幼小連携のカリキュラムづくりと実践事例』(小学館)など。
松浦公紀先生
「松浦学園モンテッソーリ子どもの家」主宰、日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師養成センター主任実践講師、常葉学園短期大学保育専攻科非常勤講師。主な著書に『モンテッソーリ教育が見守る子どもの学び』(学研)、『幼児のちから』(静岡新聞社)など。
















