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パンくずリスト TOP >> 野郎のための妊娠ガイド 第1話
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連載育児小説”野郎のための妊娠ガイド”
The Bloke’s Guide to Pregnancy

親として子供にできること

時には妊娠以外の事が、人生の中で何が一番重要なのかを気付かせてくれることだってある。俳優であるケビンは、妊娠初期の妻を連れてポーランドでロケを行っていた。例にもれず彼らも、お金の心配や、ライフスタイルの変化などを心配して、自分たちの親になる資質に自信が持てなかった。ある日、ロケ先での数少ない休日を利用して彼らはアウシュビッツを訪れ、強制収容所での凄まじい残虐行為の歴史を目の当たりにして、どうにか自分たちが親として子供にしてあげられることについての恐れや、心配ごとを大局的に見ることができるようになったのだ。
彼らはとたんに妊娠について前向きに考えられるようになり、その後はネガティブに考えなくなった。

僕たちは男で幸運だった

妊娠についてリサとはほんの数週間で折り合いが付いたものの、実際に父親になるということについて受け入れることはそう簡単にはいかなかった。カップルとして妊娠や出産、子育てについてどんなに深く話し合っていても、実際に起こってみると、考え直したくなるものだ。「その時は」と考えて話をするのと、実際に起こっている中で話をするのは、まったく違った感覚なのだ。“言うは易く行うは難し”なのだが、子供ができることへの感激だけでなく、その恐れについても話し合うべきだと思う。妊娠、出産、そして父親となる日が差し迫っているのに、全く恐れを感じないなんて、どんなに冷静沈着な人でもありえない。
男は鈍感で無神経だと思われているけど、土壇場になって、「ほんとに大丈夫だろうか?」と一度だって考えない奴なんているもんか。もちろん、完全に妊娠に共鳴するのは難しい。シャツの中にクッションを入れて妊婦の真似をしたって何の役にも立たない。
僕たちは正反対の性で、心理的に性質も違う。女性のように溢れんばかりのホルモン混成物が、毎日体に多量に放出されることはありえないし、急にすっぱいピクルスを大量に食べたくなることもない。10kgも20kgも余計に重くなって歩き回らなければならなくなることもない。何よりも、出産の痛みを経験しなくてすむ。出産経験談については、興味深い描写に事欠くことはないが、ある父親は、妻が「スイカを出そうとふんばるみたい」と表現したという。あらゆる意味で、僕たちは男で幸運だったと思った方がいい。
わざわざ自分から言わない限り、あなたに妊娠中のパートナーがいて、もうすぐ父親になるということは外見だけでは絶対にわからない。僕たちは見ず知らずの人から、「予定日はいつですか?」なんて声をかけられることもないし、妊婦に対してはお腹の出っ張りを触ったり撫でたりしても許されると思っている不躾な人に出会うこともない。根本的に、男の受難は女性に比べて少ないのだ。

次号へつづく

plofile

ジョン・スミス
世界的ベストセラーとなった「The Bloke’s Guide to Pregnancy~野郎のための妊娠ガイド~」の著者でもあり、英国版FQをはじめ多くの育児雑誌でコラム等を執筆する。

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