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パンくずリスト TOP >> 野郎のための妊娠ガイド 第11話
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連載育児小説”野郎のための妊娠ガイド”
The Bloke’s Guide to Pregnancy

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第11章
「カミング・ホーム」
Part 11 : COMING HOME


旅立ち、そして超貴重品輸送

産科病棟を出て、愛娘アリアが眠っている新しいベビーシートを抱えながら、妻のリサが、「生まれたばかりの赤ちゃんを抱えた私たちを病院から、ただ歩いて帰らせるなんて信じられないわ」とボヤいていたのをハッキリと覚えている。まったくその通りだ。退院手続きの書類も特になしに、病棟の出口まで看護士さんが1人付き添いさわやかに手を振ってくれて、それで終わり。僕たち家族は、生まれてあまり時間が経過していない赤ちゃんを連れて、この食うか食われるかという情け容赦のない「社会」へと放り出されるってわけだ。

赤ちゃんを連れて初めての帰宅。君は、たぶんこの先、二度とありえないくらい超慎重に車を運転するはずさ。走っている他の車はもちろん、空を飛ぶ鳥も飛行機も、道を歩いている人だって、赤ちゃんへの潜在的脅威となりうるんだから。普段ならたった20分の道のりも、緊張のあまり何時間も要するかもしれないよ。そして、僕らは家に着いて、アリアが寝ているベビーシートをソファーの脇に置いて、ぐっすり眠るアリアをずっと見つめていたよ。僕ら夫婦は催眠術にかかったみたいに……。

慌しい日々の始まり

赤ちゃんが誕生してからの数日間は、それはもう大忙し。生まれたばかりの赤ちゃんは、授乳のときを除けば、たいていは眠っているから手はかからない。そうじゃなくて、てんやわんやなのは、我が子に会いに全国各地から遥々やってくる訪問客の応対の方だ。かわいい我が子に会いにわざわざ来てくれる親戚とか友人は、誰だって大歓迎なんだけど、みんなに対応するのはさすがに結構疲れる。

楽しいときは時間を忘れてしまうもの。それは愛する赤ちゃんの面倒をみているときだ。例えば夜中に突然起こされて、3時間も赤ちゃんが寝付かなかったりと、それはもう、いろんなことが起こって途方もなく長く感じることもあるけど、気がつくと、生後何日目とかじゃなくて、何週間、あれよあれよと言う間に何ヶ月となっているんだ。誕生から1年が過ぎるのは驚くほど早い。そのまま、あっという間に数年が過ぎちゃうかもしれない。だから、この誕生したばかりのあっという間のこの時期を楽しんで過ごして欲しいな。すごく疲れるなと思っても、一瞬にして過ぎてしまうものだから。

親となった幸せと誇り

我が子の誕生から数日、君も彼女も大きな達成感と誇りを感じているだろう。君はひたすら我が子を見ては満面の笑みを浮かべ、赤ちゃんにとって快適な環境であるかをチェックするため、家中駆けずり回っているだろう。だからといって、家がキッチリ片付いているのは必ずしも君のお陰じゃない。それは当然、君の奥さんのおかげ。相変わらずひっきりなしに来客はあるし、お祝いのお花も届く。いつしか君はオムツ交換の達人となり、「赤ちゃんをお風呂に入れるなんて心臓切開手術より難しいよ!! 」なんて言っていたことが笑えてくるはずさ。そして君も彼女も毎日1時間かそこらの睡眠時間でなんとか過ごし、それでも幸せな気持ちでいることだろう。眠れない夜なんて、あっという間に珍しいことでもなんでもなくなるんだ。

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