父親って大事、なぜかというと……
「カナダでは現在も『My Daddy Matters Because…(父親って大事、なぜかというと…)』という父親向けのプロジェクトが行われています」とベンワさんはやや誇らしげに言う。
「各地で父親たちのリーダーになれる団体・人物を育てたり、子供の誕生前から父親が子育てに加われるようなプログラムを開いたり……。父親が育児をしやすくするためのツールのようなプロジェクトと言えます」。
これら一連の父親向けプロジェクトは、カナダの女性の就労状況にも好影響を与えている。父親が育休を積極的に取れば母親は長期育休の必要がなくなり、その分キャリアを損なわずに済む。ベンワさんは「カナダ連邦政府では育休期間の最初の半分は母親、残り半分は父親が取るというケースがほとんど」と話し、そして「カナダの女性はブランクを作らず仕事をやり続ける人が多い」とも付け加えた。日本の女性のような寿退社は珍しいことなのだ。しかし、ここで1つ疑問が浮かぶ。イギリスやフランス系を始めヒスパニック系など多民族が集うカナダでは、育児や教育に対する価値観の相違などが軋轢を生むことはないのだろうか?
「それは、むしろ逆。町や村単位で各国の伝統的な育児の考え方・教育法を持ち寄り、その中でよりいいアイデアを選ぶという考え方がカナダの人にはあると思います。その証拠に、OEC D(経済協力開発機構)の調査する国際学力比較調査で、カナダは常にトップ5にランクインしている」。
また、多民族国家カナダには毎年多くの人が移住してくるが、その際に各州政府が催すオリエンテーションを受けなければならない。そこで、カナダの家庭のあり方が説明されるという。
「移住者には『今からカナダに入ったのだから父親も育児に参加しなければならない』という説明もされます」。
ベンワさんは「多くのカナダの父親にとって、家族と過ごす時間は一番プライオリティの高いもの」と言う。自身が子供の頃は、父親に大自然に囲まれた湖畔のコテージへ連れていってもらったり、車の修理や庭の手入れなどをしたりして一緒に過ごしたそう。
「カナダでは、大自然の中で生きる術や工具の使い方などは父親と接する長い時間の中で自然と学んでいくもの。ほら、日本のことわざにもあるでしょう、『親の背を見て子は育つ』って」。■
ベンワ・プレフォンテンさん(Benoit L. Prefontaine)
1960年3月21日生まれ。サスカチュワン州サスカトーン出身。
コートジボワールやインドなど海外勤務の経験は豊富。
一男一女を持つ良きDADでもある。





















