自分のように、忙しい親たちの力になりたかった
そうしていざ働こうと就職活動に励んだ彼だが、そこでは男性ならではの悩みもあったよう。
「男性で、そこそこ年齢がいっているとなると、なかなか採用されなかったんですよね」。
そんなときに仙台市が「保育ママ」を募集していることを知って、やってみようと思ったという。
「迷いはなかったです。忙しい親たちの力になりたいと思いました。実際、私も共働きで子育てをやっていたときに大変だったので、苦労がわかるんですよね。そんな人たちの手助けをしたいと思って、保育ママになることを決めました。妻も背中を押してくれたので…。ほんと、感謝です」。(坂詰さん)
目が行き届いた保育は、親たちからの信頼も厚い
少人数で手厚い保育が受けられるとして特に低年齢児の保育で高い評価を得ている「保育ママ」。具体的にどういう点で喜ばれているのか尋ねると、
「やっぱり、親御さんからは目が行き届いていて良いと言ってもらえますね。5人の子供たちを2人で見ていますから、目が行き届くんですよね。だからケガもほとんどないですし、感染の病気もあまり流行りにくいですしね。保育園とか大人数になると流行病なんてすぐもらってきちゃうんですけど、うちではほとんどないですね」。
男だからこそできる保育をしてあげたい
さらに坂詰さんには「女の人にはできないようなことをやっていきたい」という思いが強くあり、男性としてのこだわりもある。
「女の人とは遊び方が違うと思いますね。男の人の方が力がありますから、子供を持ち上げたりだとか、ぐるぐると回して遊んだりすると、男の子なんか特に喜びます。あとは庭で秋口にサンマを焼いたりします。普段も、天気がよければ必ず近くの公園に散歩にいくようにしています。大きい子なんかはどろんこになってめいっぱい遊んでいますね」。
男性ならではの観点からアウトドア要素を取り入れて、子供たちと遊んでいる坂詰さん。体力も日焼けも気にしない、男だからできるアクティブな保育だ。
「そういう面からか、男のお子さんを預けられる親御さんが多い気がしますね。私はこの子達のお父さんにはなれないけど、忙しいお父さんの代わりに、大人の男性がこうやって遊んであげるっていうのは必要かもしれません」と坂詰さんは語る。
男性的保育で保護者からの厚い信頼を受ける坂詰さんのところに、最近初のリピーターが現れたという。
「今年の秋口から入る女の子がいるんですけど、以前その子のお兄ちゃんをうちで預かっていまして。『お兄ちゃんを預かってもらったときによかったから』ということで、親御さんが仕事復帰したいこともあり妹さんもうちで預かることになりました」。(坂詰さん)
自分たちで育てるという意識をもってほしい
職業とはいえ、世の中の父親たちの見本にしたいほど完璧に育児をこなす坂詰さん。彼は、世の父親たちに「仕事もいいけど、育児に参加して欲しい」と語る。
「子供って、3歳までにどれだけ愛情を注ぐかだと思います。いくら忙しくても妻や保育士に任せきりではなく、『自分たちで育てる』という意識を持って欲しいですね」。(坂詰さん)
そう語る彼には、ちょっとした夢がある。
「同じく保育ママをやっている人が『大きくなって卒業していった子供も、ときどき遊びに来る』と話していて、すごく羨ましいなぁと思ったんです。私もそうなりたいですね」。(坂詰さん)
大人の元気な姿を、子供たちの未来へ
我が子のように愛情を注いで、今日も子供たちを保育する「保育パパ」の坂詰さん。彼は子供たちにとって第二の父親のような存在で、これからもたくさんの親子たちを幸せにしていくことだろう。
そして取材を終えた今、毎日子供たちと力いっぱい遊んでも疲れの色を見せない坂詰さんの姿を見て、“子供にいつも大人の元気な姿を見せられる”そんな明るい日本になることこそ、子供たちにとって最高の保育環境なのではないだろうか、と思う。
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